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皆さんこんにちは!
宮城県石巻市でお米を中心に長ネギや大豆などの農産業を営んでいる
株式会社クリーンライス、更新担当の富山です。
今回は、ネギ栽培の中盤の要ともいえる「中耕」「土寄せ」「追肥」について、実際の現場の声を交えてご紹介します。
ネギは放っておけば育つ野菜ではありません。
成長に合わせて手を加え続けることで、あの白くて甘いネギができるのです。
白ネギと呼ばれるだけあって、やはり消費者が手に取るのは「白くて長い軟白部(なんぱくぶ)」のネギです。この白い部分を作り出す技術が、**“土寄せ”**です。
土寄せとは、文字通りネギの根元に土を寄せて、茎に日光が当たらないようにする作業です。光を遮ることで茎が緑化せず、柔らかく白く成長します。
しかしこの作業、タイミングや厚さを誤ると、逆に成長が止まったり、病気の原因になったりもします。土寄せのたびに根に少なからずストレスがかかるため、ネギの状態をよく見ながら、“今がその時”を見極める感覚が重要です。
1回の土寄せでは白さは出ません。3〜4回ほど、段階的に土を積み上げていくことで、あの「白くて立派なネギ」が完成します。
中耕(ちゅうこう)とは、ネギの列の間を軽く耕すことで、地表の通気性・排水性を改善する作業です。
ネギは過湿に弱いため、土が固く締まりすぎると根が酸欠を起こし、生育が鈍ります。中耕によって土をふっくらとほぐすことで、根が呼吸できるようになり、根張りが良くなってネギの太さや長さにも差が出てきます。
さらに、雑草対策としても効果的。中耕することで雑草の芽を潰し、除草剤に頼らずに畑の清潔さを保つことができます。環境にも優しい取り組みとして、中耕は重要な役割を果たしています。
中耕や土寄せと並行して欠かせないのが追肥(ついひ)。ネギの成長に応じて、適切なタイミングで、適量の栄養を追加投入することで、太く立派なネギに育てていきます。
成長ステージに応じて必要な養分は異なります。初期は根を育てるためにリン酸中心、中期は葉を茂らせるために窒素を多めに、後期には甘味や香りを高めるためにカリウムを補うなど、“ネギの成長曲線”に合わせた施肥設計を行っています。
一方で、肥料の与えすぎは「肥焼け」や軟弱徒長を招き、病気のリスクを高めてしまうため注意が必要。気温・降雨・日照・葉色・根の張り方など、五感を使ってネギと会話するように肥料の量を判断しています。
ネギは“育て方が出る”野菜です。同じ品種を、同じ時期に植えても、管理次第で見た目も味もまるで別物になります。
中耕の深さや回数、土寄せのタイミング、追肥の設計――
毎日の畑の様子を観察し、ほんの少しの変化にも気づけることが、プロ農家としての誇りであり、結果的にお客様に喜んでもらえるネギを届けることにつながるのです。
次回もお楽しみに!
株式会社クリーンライスでは、一緒に働いてくださる仲間を募集中です!
宮城県石巻市でお米を中心に長ネギや大豆などの農産業を営んでおります。
私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
ぜひ求人情報ページをご覧ください。皆さまのご応募を心よりお待ちしております!
皆さんこんにちは!
宮城県石巻市でお米を中心に長ネギや大豆などの農産業を営んでいる
株式会社クリーンライス、更新担当の富山です。
今回のテーマは、ネギ栽培の大きな節目――**「定植(ていしょく)」**についてです。
育苗ハウスで大切に育てた苗を、ついに畑におろすこの工程。ひとつひとつの動きに意味があり、丁寧さと経験が問われる作業です。
ネギ作りの核心に、ぜひ触れてみてください。
まず何よりも大切なのが畑の準備。ネギは土と深く関わる野菜ですから、定植の前段階として「耕す・整える・肥やす」という地道な作業を徹底します。
石巻はもともと水田地帯が多く、ネギ栽培には水はけの調整がカギになります。そのため、畝(うね)はしっかり高く、幅も深く設計し、水が溜まらないように整地していきます。
さらに土壌分析を行い、必要に応じて苦土石灰や有機肥料をすき込んで、pHバランスやミネラルの含有量を調整。根がまっすぐ深く伸びるように、**硬盤層の破砕(こうばんそうのはさい)**という特殊な耕うんも取り入れるなど、根の居心地の良さをとことん追求します。
この“見えない努力”こそが、数か月後の品質にしっかりと反映されるのです。
苗が育ったら、いよいよ定植作業の開始です。この作業は、まさに職人の腕の見せどころ。
ネギ苗は、単に「植えればいい」というものではありません。
「どの深さで、どの角度で、どの間隔で植えるか」
――そのひとつひとつに、ネギの成長がかかっています。
私たちの農園では、少し斜めに、やや深く植えることを心がけています。これは、根を安定させながら、真っ直ぐ上に伸ばすための工夫。また、一定間隔で植えないと、日当たりや養分の奪い合いが起き、細く曲がったネギになってしまいます。
この作業はすべて手作業で行われ、1本ずつ、根を土に差し込みながら、まるで我が子を送り出すようにそっと土で包んでいきます。中腰での作業が何時間も続くため体力勝負ではありますが、ネギの“スタート”を支える大切な工程であることを、私たちは何よりも意識しています。
定植後のネギは、まだ自力で水を吸うことができません。根が張るまでの最初の10日間〜2週間が、ネギにとっても、農家にとっても“勝負の時間”です。
この間、農園では朝晩の気温・湿度・風速を細かく観測しながら、水やりの頻度や量を調整します。特に風が強い日は、苗が倒れたり、土が乾いてしまうため注意が必要です。必要に応じて風よけのネットを張ったり、土の乾燥を防ぐために敷き藁(しきわら)やマルチを敷いたりすることもあります。
また、夜間の気温が急に下がる春先などは、低温ストレスによって苗が傷むこともあるため、霜よけの簡易トンネルを設置することも。これらはすべて、苗が無事に根付くようにという“親心”からの対応です。
ネギがしっかり活着し、葉の色が濃くなってくると、ようやく私たちも一安心。そうして、いよいよ本格的な“畑育ちのネギ”が始まるのです。
次回もお楽しみに!
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私たちが採用において最も大切にしているのは、「人柄」です。
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